するどい視線を向けてくる大我先輩に、私は眉を八の字にしてほほえむ。
「分からなくなりました。正直なところ、どうするのが“正しい”のか悩んでいます。だから…大我先輩のこと、もっと知りたいです」
大我先輩は少し目を見張って、じっ…と私を見つめた。
それから、コクリとうなずく。
「分かった。終わるまで時間があるが、待っててくれ…真陽」
「えっ…!?」
大我先輩が私を名前で呼んだ!?!?
さけばないように両手で口を押さえて赤面すると、大我先輩は営業スマイルよりもひかえめに、ふっとほほえんだ。
「お前も俺のこと、名前で呼んでるだろ」



