なぞの発言をしながら、こぶしを振りかぶり走ってくる男を見て、目を見開きながら右足をうしろに引いた。
空振ったこぶしを見て、また別の男がなぐりかかってきて、なんなのこの血気盛んな男たちは!?と思いながら、攻撃を受け流す。
「あの女をたおせ!」
「あいつをやったやつが最強だ!」
「ちょ、ちょっと、なんなんですか!?暴力はいけません!」
いつの間にか、体育館にいる男たちを全員敵に回してしまったようで、休むひまなく四方八方からおそいかかられて、パッ、パッと体を動かした。
一回の動きで一発の攻撃を防ぐだけでは間に合わなくて、二、三発の攻撃を一気にいなしながら、せわしない動きのなかで呼吸するひまを見つける。
反撃すれば暴力ざた、反撃すれば暴力ざた、ととなえつつ、防御と回避に徹していると、ふっ…と男たちの猛攻がとぎれた瞬間があった。



