【短】不良ぎらいだけど面食いな私VS超イケメンな不良



 はっ、しまった。

 おどろきと興奮のあまり大声を出してしまった…!

 私はあわてて他のお客さんに向けて頭を下げ、「すみません、すみません」と小声であやまりたおす。


 それから、おそるおそるレジカウンターに視線を戻せば、やはりその内側にはお店の制服に身を包んだ大我先輩がいて。

 後光すら見える営業スマイルを浮かべたまま「こちらへどうぞ」と言った。


 え、私あの無敵顔面国宝さまに近づくの…??

 むりだよむりむり、目がつぶれる心臓がはれつするっ。

 悲鳴をあげないように口を押さえたまま大我先輩を見つめると、先輩はクールな無表情に戻って、口をパクパクと動かす。




“はやくこい”




 根性で大我先輩の言っていることを理解すると、私はコクコクうなずいてすばやくカウンターの前に移動した。