きらいな不良しかいない滝高という場所で、日々空手の技をひろうする生活はなかなかに疲れる。
毎日大我先輩のお顔をながめて癒されているとは言っても、その大我先輩にも顔を合わせるたび野良試合をもうしこまれるわけだし。
休日の今日は思いっきり自分にごほうびを与えるしかない、と私は意気ようように、検索して見つけた近場のファストフード店へ向かった。
「いらっしゃいませ」
今日はなにを頼もうかな、とスマホで公式サイトのメニューを見ながら店内へ入ると、どこか聞き覚えのある気がする声が飛んできて顔を上げる。
すると、レジカウンターににっこり笑顔がまぶしすぎる顔面国宝さまがいて、後ずさりながら目を見開いた。
「笑顔の大我先輩ッ!?!?」
「!」