【短】不良ぎらいだけど面食いな私VS超イケメンな不良

 ちらっと大我先輩を見ると、心なしか、やさしいまなざしをして優衣先輩を見つめている。




「階段のところにいたの、笹森を待ってるんだろ。早く戻れ」


「う、うん。…それじゃあ真陽ちゃん、本当にありがとう。またね」


「はい、また!この変態男は職員室に突き出しておくので、ご安心ください!」


「あ…ありがとう。任せちゃってごめんね…」


「いえ!」




 優衣先輩はひかえめにほほえんで小さく手を振り、階段のほうへ歩いていった。

 笑い返して優衣先輩に手を振った私は、変態男を見下ろす。




「俺が運ぶ」


「えっ。そ、そんな、大我先輩の手をわずらわせるなんて!」


「寺岡が強くても、男1人を運ぶのは大変だろ」


「っ…あ、ありがとう、ございます…」