変態男を無人の廊下に放り出して、おたがいトイレに来た用事を済ませると、かがみの前にならぶ。
私の前には、目にかかりそうな前髪をセンターで分けた、肩につかないくらいのストンと落ちた黒髪の女子が映っていた。
活発そうとよく言われる平凡顔。
その一方で、となりには眼福すぎる色素の薄い美少女が映っているから、思わずそっちをガン見しながら手を洗った。
「あの…どうかした?」
「はっ、すみません。あまりにもお顔が整っているので、つい見惚れてしまって。美男美女のお顔を鑑賞するのが生きがいなものですから」
「えっ…えぇと、ありが、とう…」
優衣先輩は目を丸くしたあとに、じゅわっとほおを赤くして、はじらうように目を伏せる。
反応まで美少女!!神!?女神さまなの!?
悶絶しながらおたがいに手を洗い終えると、私は優衣先輩に向き直った。