「先輩でしたか。私の他にも女子がいたなんて知りませんでした」


「うん、私も…あ、私は一昨日転校してきたばっかりなんだけど」


「そうなんですね。だから優衣先輩の存在が耳に入らなかったんですか」




 先生からも“滝高唯一の女子”と言われた記憶があるのは、聞き間違いじゃなかったんだ。

 それにしても一昨日からこんな美少女が同じ学校にいたなんて…もっと早く知りたかった…!




「そうかも。…えっと」




 ふわりと笑顔を見せてくれた優衣先輩のまぶしさに上体を少しのけぞらせると、先輩は眉を八の字にして床を見る。

 そうだった、変態男の始末をまだしてなかった。




「あ、この男はひとまず廊下に出しておきますので、ご安心ください」