【短】不良ぎらいだけど面食いな私VS超イケメンな不良

意図(いと)せずそのようなやり方にはなってしまいましたが、私は力で言うことを聞かせる気はないので。遠藤先輩も不良なんてやめたらいかがですか?」


「不良って、やめるやめないとかじゃないでしょ。ふつうに生きてたらそう呼ばれるようになっただけだし」




 ひざにほおづえをつきながらにっこりと笑われて、この人も手ごわそうだなと思う。

 まぁ、また会う機会があればそのとき説得すればいいだけだし。

 トイレに行くところだったのもあって、私は「機会があればまたお話しましょう」と口にした。




「行くところがあるので、失礼します」


「うん、じゃあね」




 ひらひらと手を振られて、会釈(えしゃく)を返しながら階段を下りきり、女子トイレを目指す。

 顔だけは眼福だった、と思いながらトイレに入ると、今日はめずらしく先客がいた。




「チッ、イケメン狂いか…!」


「――!」


「なっ…!?」