顔を上げると、大我先輩は眉根を寄せて、目をつぶりながら顔を背け、首の裏に触れている。
照れているお姿も最高なんですが!?
「大我先輩、不良やめませんか!暴力なんてよくないですよ!」
「…やめない。寺岡こそ、俺とタイマンを張れ」
「すみません!おことわりします!」
毎朝、そんな会話をしながら一緒に登校するのがお決まりの流れ。
私も大我先輩も一向に引かないせいで会話はどうどうめぐりなんだけど、学校に着くとそれぞれの教室に向かうため、話を切り上げて別れることになる。
「休み時間も教室に行く」
「ありがとうございます!!でも野良試合だけは本当にむりなので、すみません…!」



