「…そうか。それなら、寺岡がうちのとなりに引っ越してきた、ってことだな」


「“うちのとなり”…!?」




 直後のワードが強烈すぎて、大我さまに名前を呼んでもらえたよろこびも吹き飛ぶ。

 大我さまが指さしたとなりの家の表札を見ると、確かに[仁木]と書かれていた。

 国宝級のどイケメンさまがおとなりさんって、どんな神展開!?




「…ふ、ふつつか者ですがっ、よろしくお願いします!決して!決して大我さまをストーカーしたりはしませんので!」


「…言ってる意味が分からないが、さまづけはしなくていい」


「えっ、ではどう呼べと!?」


「ふつうに…先輩とか」




 大我先輩!?そんな!そんな親密な呼び方!!

 キャパを超えた私は、なんとか「し、失礼しますっ!」とあいさつをしてから家に逃げこんだ。


 私の高校生活、本当にどうなっちゃうの…!?