「…1年のなかで、一番強そうなのがお前だった。俺は最強になるために、お前に勝つ必要がある」
「そうですか…でも、おことわりします。私は“暴力”を振るう気はないので」
「…ことわるなら」
ぼそっとつぶやいた大我さまはするどい視線を私に向けて、一瞬で距離を詰めてきた。
せまってくるこぶしを、ぎょっとして避けたあと、私は大我さまから距離を置く。
「あ、あの、私、野良試合はおことわりしたと思うのですが!」
「お前が拒否しても、俺はお前とやる必要がある。ことわるならその気にさせるだけだ」
「えぇぇっ!?そ、それは困ります!」
冗談でもなんでもなく、大我さまは私から視線を外さずに追撃をしかけてきて、私はあわてて机からスクールカバンを回収した。
大我さまを抑えこむのは苦労しそうだし、ここはいったん逃げてしまおう!
また冷静になったときに説得すればいいし!



