「ごはんをおいしそうに食べるのもかわいくて、俺の分もあげたくなるんだけど、お腹に入らないかなって思っていつもがまんしてる。それから…」
「も、もう充分ですっ。それ以上は、私…っ!」
ほおを包む知暖先輩の手が冷め気味に感じるくらいまっかになって止めると、知暖先輩はやわらかく笑って、少し私に顔を近づける。
「好きだよ、優衣。俺も、期待していい?」
「っ…」
私の顔をのぞきこむ知暖先輩を上目遣いに見つめて…私は少しためらってから、口にすることはないと思っていた言葉を、胸の奥からすくいとった。
「…はい…私も、知暖先輩が好きです」
ドキ、ドキ、ドキ、と胸から大きな音がひびく。
知暖先輩はとろけるように甘くほほえんで、さらに顔を寄せた。
唇に訪れた感触にバクッと心臓が跳ねると、知暖先輩はしばらく体温を分け合って。



