【短】ふびん女子は、隠れ最強男子の腕のなか。



 は、ハグ!?

 赤面する私を見て、知暖先輩は「ははっ」と笑う。

 よ、よく分からないけど、ハグすると肩がいい感じになるとか、あるのかな…!?




「じょうだ――」


「そ、それでよくなるなら…っ」




 私は思いきって知暖先輩に近づき、その背中に腕を回した。

 頭上から「え」という声がもれ聞こえる。

 ど、どれくらいの強さがいいんだろう…っ?




「…優衣ってほんと、かわいいね」




 笑い混じりにそう言った知暖先輩は、ぎゅっと、私を抱きしめ返した。

 ドキッとしつつ、これくらいの強さがいいんだ、と理解して、私も腕にぎゅっと力をこめた――。