「かわいい女の子になにをしてるんですかっ、この変態男!!」
前髪をセンター分けにした、肩上まですとんと落ちた黒髪の活発そうな女の子は、そうさけぶとこっちにかけ寄ってきて。
ひざ下までの黒いソックスを履いた足をきれいに伸ばして、不良男子のわき腹を蹴った。
ぽかん、としているあいだに、女の子は不良男子の腕をつかんで私の手首を離させ、「下がっていてください」と私たちのあいだに入る。
「女子トイレに入りこんで美少女をおそうなんてっ、死罪です!!」
「くそっ、ぐぁッ!」
1、2歩下がって女の子を見ていると、逃げようとした不良男子を空手のような動きでなぐって蹴って、あっという間にたおしてしまった。
タイルの床にくずれ落ちた不良男子はピクリとも動かない。



