おどろいて凛恋さんの顔を見ると、きれいな笑顔を向けられて、私はこくりとうなずくことしかできなかった。
凛恋さんは…知暖先輩のことが好きなんだ。
胸がちくっとしたのをふしぎに思いながら、私たち3人の同居生活は始まったのだった。
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知暖先輩と凛恋さんとの同居生活は、気を遣うことはあっても、凛恋さんがそっせんして家事をしてくれるから、すごく楽をさせてもらっている。
滝戸高校に来てから3日目になり、私は休み時間、トイレに行くために知暖先輩と階段を下りていた。
この学校は知暖先輩が言っていた通り共学校で、女子トイレも各階にあるんだけど、ふだん使われることがないせいで利用するのはオススメできないと…。
先生の目が届く、1階の女子トイレに行くことを勧められている。
「じゃあ、俺はここにいるから。なにかあったら大きい声出して教えて」
「はい。すみません…」



