【短】ふびん女子は、隠れ最強男子の腕のなか。



 苦笑いする知暖先輩に、凛恋さんはにっこり笑って答えた。

 どうやら、このお姉さんが知暖先輩の家に泊まって、私たち3人で生活することになる…みたい?




「俺、そんなに子供じゃないんだけど。まぁ、凛恋さんが来てくれるならそれはそれでいいや。優衣、この人が姉さんの友だちの友井(ともい)凛恋(りこ)さん。大学3年生だよ」


「あ…は、初めまして、よろしくお願いします…っ」


「で、凛恋さん、この子が滝高に転校してきちゃった笹森(ささもり)優衣(うい)ちゃん。2年ね」


「よろしく」




 凛恋さんは私ににこっと笑いかけてくれて、知暖先輩と仲良さそうに話しながら、リビングに上がる。

 私も2人のあとについていくと、知暖先輩が少し離れたタイミングで、凛恋さんからひそっと言われた。




「優衣ちゃん、知暖くんはあたしの彼氏になる予定だから。知暖くんがやさしくても、勘違いしないでね?」


「え…」