【短】ふびん女子は、隠れ最強男子の腕のなか。

「女の子1人くらい守れるよ」


「いや、そういうことじゃ――」


「強二は過保護だな。俺も滝高で2年やってきてるんだし、大丈夫だって」




 笑い混じりの声を聞いて、知暖先輩と仲のいい人なのかな…と、視線は向けずに2人の様子をうかがった。

 強二さんはしばらくだまりこんだあとに「そうか」とため息混じりの声で答える。




「なにかあったら、俺にも言ってくれ」


「もちろん。頼りにしてるよ、滝高トップの男?」


「…あぁ」




 やっぱりため息混じりの声で答えた強二さんは、それで話を終えて帰っていったみたいだった。

 “滝高トップの男”って…さっきの男の人が、この学校で一番ケンカが強い人、っていうことなのかな?

 知暖先輩はいったい…って、そういえば“滝高のナンバー2”って言ってたっけ。