【短】ふびん女子は、隠れ最強男子の腕のなか。



「…遠藤先輩って、先生方と仲がいいんですか?」


「うーん、信頼はされてるかな。他のやつらと比べたらずいぶん聞き分けがいいほうだと思うし。うちに女の子が来るって教えてくれたのも先生たちなんだ」


「そ、そうなんですか…」




 それって、けっこう仲がいいんじゃ…。

 転校生(わたし)が女子だから様子を見にきてくれたのかな?と思っていると、遠藤先輩は体を前にかたむけて、机にほおづえをつきながら私を見る。





「ていうか、知暖(ちはる)でいいよ?俺と仲良く見えたほうが、うちのやつらも手、出しづらくなるだろうし」


「えっ」




 い、いいのかな、遠藤先輩、彼女がいるのに…。

 でも、不良男子にからまれないための名前呼び、っぽいし…。

 私はおずおずと、ほほえんでいる遠藤先輩を見つめて口を開いた。