凛恋さん…?
女の人、なのかな…。
私のとなりに座ってスマホを耳に当てる遠藤先輩をちらりと見て、なぜだか胸がもやっとする。
「ははっ、俺の声が聞きたかったって、なにそれ。大学もひまじゃないでしょ?」
大学生の人なんだ…。
仲、よさそうだな…。
もしかして、遠藤先輩の彼女さん、とか…?
愛想のいいほほえみを浮かべて視線を落としている遠藤先輩を盗み見ていると、先輩に気づかれてしまったようで、視線が合った。
遠藤先輩はにこっと笑ってくれたけど、通話相手になにか言われたのか、すぐに視線をそらしてしまう。
「遊び?うーん、その日ならいいよ。…ダメ、滝高に来るのはあぶないって言ってるでしょ。凛恋さん美人だし絶対からまれるから」
「…」



