私、来る学校間違えてないよね…?
叔母さんからもらった地図は確かにここを示してたはずだし、そもそも私、転校生としてちゃんと受け入れられてるし…。
お嬢さま学校に転校させてもらえるっていう話、もしかして聞き間違えてたのかな…!?
「笹森の席は一番うしろだ。あの窓ぎわのところな」
「は…はい…」
不良男子たちと目を合わせないように落としていた視線をしぶしぶ上げて、先生に言われた席を確認する。
私はならんだ机の前を歩いていき、視線を床にとめながら、両わきの机に絶対ぶつからないよう、慎重に、慎重に教室の奥へと進んだ。
でも、バッと体の前に手のひらを出されて、肩を跳ね上げながら、その手の主を見る。
「よろしく~」
「…っ」



