【短】ふびん女子は、隠れ最強男子の腕のなか。



「悪いけど、誰かこの机とイス、3年2組まで運んでくれる?」


「「は、はい…!」」


「え…?」




 3年2組まで、って…もしかして“うちにおいで”って、“うちのクラスにおいで”って意味だったの…!?

 そんな、3年生のクラスなんて緊張するんだけど…っ。

 しかも机まで運びこむなんて……!


 遠藤先輩の言葉の意味をようやく理解して焦っていると、遠藤先輩は「行こう」と私にほほえんで廊下(ろうか)へ出た。

 不良男子ばかりの教室に取り残されるのも心細いから、あわててついていけば、遠藤先輩が振り返って、黒いセーラー服の胸元に手を伸ばす。




「これは俺があずかっててもいい?クラストップじゃなければふつうはねらわれないんだけど、たまに全員分集めようとするやつがいるから」


「え…?校章、ですか?」