ホッと安堵したのもつかの間、ライナー様が私の頬に触れながら、恐ろしいほどの色気を漂わせてきた。

「アメリアは気持ちよくなかった?」

 そんな事を言われて、気持ちよく無かったなどとは言うことは出来ないし、気持ち良かったとしてもそんな事は言えない。私は無言で首を左右に振るだけで応える事しか出来ない。それを見たライナー様は嬉しそうにフッと微笑み、ついばむようなキスを何度か繰り返すとやっと私から離れてくれた。

「アメリアごめん……我慢していたせいか、自制が効かないんだけど……今夜は覚悟しておいてくれる?」

 それって……。

 夜の閨についてのことだろう。

 私は恥ずかしさから、顔に熱が集まるのを感じながらコクコクと頷いた。

 その日の夜、ライナーとアメリアは夫婦として始めて同じベッドで眠り朝を迎えた。それは結婚式の初夜を塗り替えるような、愛に満ちた夜だった。