「良かったな、アメリア。もう少しこうしていられるな」

「私はもう十分なのですが……」

 アメリアの言葉をスルーして、ライナー様は熱い視線を向けてきた。

「アメリア……」

 私を呼ぶ声が先ほどとは違い、緊張しているのか、少しかすれている。それに瞳の奥に光る色が、獲物を捕らえるようにギラついている。そこからは感情を抑えられないと言った様子で、ライナー様が私をベッドに組み敷いてきた。

「あの……ライナー様」

 ライナー様は親指で私の唇と往復させると、私の唇だけを見つめている。

 これは……。

「アメリア、好きだよ」

 蕩けるように甘い声で囁くと、ライナー様の顔が近づいてきた。そっと触れるように唇が重なり、幾度かそれが繰り返される。私は緊張から唇を引き結び、されるがままになっていた。それを見たライナー様がフワリと嬉しそうに微笑んだ。優しい笑顔に胸がキュンキュンと高鳴っていく。

「アメリア緊張してる?大丈夫だから口を開けてくれる?」

 言われるがままに口を開くと、ライナー様の舌が入り込んできた。

 ウソ……、こんな大人なキス……。

「はうっ……んっ……あっ……」

 ピチャッ、チュッ、クチュッといった、水音に混じり自分の卑猥な吐息が漏れる。それがとてつもなく恥ずかしくて耳を塞ぎたくなったが、ライナー様の舌の動きに導かれるようにして舌を動かすと、下腹部がズンと重たくなる。痛いわけでは無く、疼くような奇妙な感覚に耐えられず、トントンとライナー様の胸を叩いた。顔を真っ赤にしてもう無理だと、無言で訴える私に気づいたライナー様が、やっと唇を離してくれた。