「ああ……幸せだ。こんな日が来るなんて……愛おしい俺のアメリア。愛している。君がいれば俺は何もいらない。ずっとこうしていたい」
困ったわ……どうしたら良いのかしら……?
困り果てていたところで、扉をノックする音が聞こえてきた。これはしめたとばかりに、アメリアは自分の体からライナー様を引き剥がし、それから扉の向こうの人間に入室の許可を出した。
「アメリア様、おはようございます。疲れは……」
入室してきたシャルルは、私達を見て目を見開いた。シャルルの視線の先には、抱きしめ合うアメリアとライナーがいたからだ。引き剥がしたはずのライナー様は、いつの間にか私を抱きしめてきた。離さないとばかりに、体を密着させるライナー様。
こんな姿をシャルルに見られるなんて……。
絶句するアメリアを見て、一瞬だけ動きを止めたシャルルだったが、すぐに全てを察して視線を伏せると、何も見ていませんと言うような顔をして頭を下げた。
「申し訳ありません。朝食の準備が出来ましたらもう一度伺います。もうしばらくイチャついていて下さって大丈夫です」
ちょっとシャルルさん。
イチャついていて良いって……。
言葉は丁寧だが、こちらをディスっている感じがひしひしと伝わってくるんですけど?
焦る私をおいて、シャルルは退出しようと下がっていく。
「シャルル?!まっ……」
シャルルを引き留めようと、名前を呼ぶがこちらを見ようとしない。これ以上は何も言いません、見ていません、大丈夫です。みたいな顔をしてシャルルは出て行ってしまった。


