呆れ気味に二人の様子を見ながら微笑んだ時、拘束していた男の一人が、ニヤリと笑った。それに気づいたライズが男を睨みつけた。

「お前、何笑ってるっスか?何か隠しているんスか?」

 それを聞いた男が笑いだした。

「くくくっ……。今頃気づいても、もう遅い。魔王様の復活だ!我らを贄にどうかあなた様の復活を望みます!」

 そう言いながら男の体がガクリと力なく崩れ落ちた。そっと男の口と鼻に手もっていくと、息をしていなかった。

 自分から命を絶ったの?

 唖然としていると、他の刺客達も先ほどの男と同じように命を絶っていた。

 どういうこと?

 それに魔王の復活って?

 自分達を贄にして魔王を復活させる?

 息絶えた刺客達を見つめていると、体から生気が抜け、刺客の纏っていた魔力が外に向かって消えていった。それを目で追いながらバルコニーに出ると、中庭に大きな魔方陣が描かれ、刺客達の魔力が集められていた。

「ボス、あれって……やばくないっスか?」