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 今日はリリーナ嬢とアメリアとのお茶会の日だ。俺とアーサーも呼ばれている。今日はこの4人でのお茶会だ。王城の中庭にある東屋に、侍女達がクッキーやケーキを並べていく。そこにアーサーにエスコートされたリリーナ嬢がやって来た。

「アーサー殿下、リリーナ嬢、本日はお招き頂きありがとうございます」

「ふふふっ、ライナーとお茶会なんて久しぶりね。奥様はまだいらしてないの?」

「妻はこれから来るかと……私は王城で仕事をしていましたので」

「そうなの?……あら、いらしたみたいね?」

 リリーナ嬢の視線につられて俺は視線を横にずらした、するとこちらにやって来る妻の姿が視界に入る。

 王城の柔らかい芝生の上を軽やかに歩いて来るのは……妖精か?

 本気でそう思うほど美しい女性が俺の前へとやって来た。

「旦那様、遅くなりましたわ。殿下、リリーナ様、お初にお目にかかります。アメリア・ドレインバスにございます」

 美しいカーテシーで礼を取るアメリアは、本当に美しかった。空色の美しいドレスに身を包み、流れるような美しい所作を見せる妻。青紺の髪の艶やかな髪が風に揺れ、それをそっと耳に掛ける仕草までもが美しかった。