*

 ライナー様から手紙が届いた。

 私はそっと手紙を開き、その内容を見て驚愕する。

 今まで放置し続けていたのに、今さら仲良くしたいですって……。

 私をバカにしているいの?

 何か企みでもあるのかしら?

 そのへんはよく分からないが、お茶会に誘われたのはラッキーだった。どうやってリリーナ嬢に近づこうか考えていたところだったから……これは使えるわね。

 私は口角を上げてニヤリと笑った。

 最近近隣諸国が胡散臭い動きを見せていた。

 リリーナ嬢を無理矢理に奪い取ろうとする動きを見せる国や、殺害をほのめかすような言動を見せる国もある。こらから結婚式を控えた二人に、刺客をよこすのはそろそろだろう。

 おかげで私達影は今、もの凄く忙しい。

 近隣諸国の情報を集める者、国境の警備を強固にする者、不届き者を始末する者、そして王族を守る者。

 アーサー殿下とリリーナ嬢の結婚式が終わるまでは、この緊張状態は続くだろう。少しでもリリーナ嬢の近くに行き、情報を集めたい。それにはこのお茶会は使える。

「さあ、楽しいお茶会の始まりね」