影である私達は隠密の魔法を解除し、陛下の前で頭を垂れた。
「影達よ、良くやってくれた。おぬし達の活躍、耳にしていたぞ」
陛下にそう言われ、私達は顔を上げると渋い顔をした。それを見た陛下が笑い出した。
「はッはッはッ、相当苦労させられたようだな。誰も咎めん全て話せ」
すると最初に口を開いたのは、ライズだった。
「おっさん、ハッキリ言ってあいつらポンコツっスよ。マジで俺らがいなかったら3日も、もたずに死んでたと思うっス」
陛下をまさかのおっさん呼びだが、それを誰も咎めることは無い。
それにカテリーナが続く。
「ほんとよねぇー。見張りも立てずに皆で寝てるの見たときは、ドン引きしたよねぇー。おじ様もぉー、あれが王太子とかぁー苦労するわよねぇー」
今度は陛下をおじ様呼びだ。
そして珍しくボイスンが喋った。
「魔王倒したのはボス」
ボイスンの言葉を補足するようにシャルルが説明を始めた。
「私達は、影として殿下達を守りながら戦いました。聖女様の魔法はコントロールが悪く光魔法が当たりませんし、威力も中途半端。仕方ないので、お嬢様が補助をし、魔力を込め一撃を食らわせました。おかげで討伐出来たと思い込んだ勇者達は気が緩み、魔王の最後の咆哮で死にかけましたが、それを私達で回避。これ以上は勇者に任せられないと判断し、お嬢様が聖剣で魔王を真っ二つにいたしました」
「では、魔王を倒したのはアメリア嬢なのか?」


