「勇者達よ。良くやってくれた。世界に平和が訪れた。勇者、我が息子よ。そなたはこれからこの国をより大きくし、発展させていくことだろう。期待しているぞ」

「お褒めにあずかり嬉しく思います」

 頭を垂れていた勇者メンバーは顔を上げる。

 すると謁見の間に歓声が響き渡った。

「それで、魔王はアーサーが倒したのか?」

「はい!私が倒しました」

 うっわー。

 言ったよ。

 この人、自分が倒したみたいに言ってのけたよ。

 他の勇者様メンバーも、誇らしげに頷いている。

 勇者メンバー達を称えて、謁見の間に更に歓声が響き渡る。

 それを私達影は、隠密魔法で姿を消したまま、しらけた様子で見つめていた。


 
 陛下と勇者メンバーの謁見が終わると、陛下は謁見の間から出て行った。それに倣うように全員が謁見の間から出ていくと、少しして再び陛下がやって来た。

「お前達いるか?」

「はい、陛下」