日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。


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 魔王討伐に出発する4人のために、盛大なパレードが行われた。そのパレード後、城門を出た4人は1日目の野営を行っていた。

 そんな4人を見守っていた私は頭を抱えていた。

「アメリア様ぁ~。見て下さいよぅ~。皆寝てますけどおぉ?」

 カテリーナの言葉を聞き、溜め息が出た。

 危機感がなさ過ぎる。

 外での野営だっていうのに皆で気持ちよさそうに寝ているよ。

 寝ているところを襲われたらどうするつもりなんだろうね?

 呆れて物も言えないよ。

 温室育ちの4人だからね。仕方ないけど、これは無いよね。

「仕方ないわね。私が殿下達の回りに結界を張るわ。その後は交代で仮眠する。良いわね?」

「「「はい!ボス」」」


 その後も4人を守りながら魔王のいる場所を目指した。迷子になりそうな4人を導き、下手くそな罠には、食料になる獲物がかからないため、獲物がかかったように細工したり、果物のある場所へと上手く誘導したりと、忙しい日々。そんな日々が一年過ぎたころ、ようやく魔王領内に入ることが出来た。

 それから更に半年、あと数日もすれば魔王城。魔王との決戦が始まる。この忙しい日々がようやく終わる。アメリア達は少しの安堵を覚えた。