日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。


「アメリア様ぁー。あいつら守んないとダメですかぁー?」

 まのびした可愛い声で話し掛けてくるのはカテリーナだ。ふわふわな金色の髪をなびかせて、ニコリと笑うとまるでお人形のように可愛い。思わず頭を撫でたくなるが、こう見えて年上だ。

「ホントっスよ。あいつら抜きで討伐した方が早いっスよ」

 そう言ったのはライズだ。赤い髪が目を引く弟的キャラで、ムードメーカー的存在のライズが口を尖らせながら、文句を言っている。

「仕方が無いのよ。勇者が魔王を倒す。これは昔から決まっているの。ねえ?ボイスン」

 ボイスンに話しかけるが、頷くだけだった。ボイスンはとても無口で、あまり喋らない。黒髪黒目で私達影に中で一番影らしい存在なのが彼だと思う。他のメンバーは……何というか、影っぽく無い。存在感がありすぎるのだ。しかし仕事になれば完璧。

 優秀過ぎる。

 最終的に勇者メンバーがダメならあいつらを置いて、私が討伐しようかと本気で思っている。しかし自分が勇者になってしまうと、後が大変な事は目に見えているので、それは最終手段だと思っている。

 私は影だ。

 影ながら4人を守る。

 是非とも殿下達、魔王討伐メンバーには頑張ってもらいたい。