翌日――――。

 アメリアの朝は早い。

 太陽が昇り出すのと同時に目を覚ましたアメリアは、隣でまだ幸せそうに眠るライナー様を見つめた。

「可愛い」

 そう言いながらライナー様の白銀に近い水色の髪に触れる。頭を撫でながらサラサラとした髪の手触りに微笑むと、ライナー様が眉間に皺を寄せた。起こしてしまったかしらと、そっと手を離すと、その手を握りしめられた。

「止めないで……」

 寝ぼけているのかしら?

 ライナー様は目を開けずに、私の手を自分の頭に持っていく。

 もっと撫でろと言うことだろうか?

 ゆっくりと起こさないように頭を撫でると、フッとライナー様の口元が緩む。

「可愛い」

 本日二度目の可愛いが口から飛びでしたところで、ライナー様の瞳がゆっくりと開いた。

「可愛いって何?俺……可愛いなんて言われたことない」

「あっ……不快でしたか?」

「いや、アメリアなら良い。だが俺はアメリアの方が可愛いと思うぞ」

「なっ……私は可愛く何てありません。昔から可愛げが無いと言われていましたし、その自覚もあります」

 慌てながら真っ赤になっているだろう私の頬に、ライナー様は触れながら愛おしそうに微笑む。

「何を言う。アメリアは昔から可愛かったぞ。俺は幼少期のアメリアを妖精だと思い込んでいたからな」

「それ、以前にも言っていましたよね?」

「ああ……一瞬だけ現れては消えてしまう俺の妖精……やっと手に入れた」

 私の存在を確かめるように、ライナー様が抱きしめてくる。

「アメリア、愛している」

 その言葉に胸の奥が熱くなる。

「ライナー様……私も愛しています」

 自然と二人は唇を重ねた。