「翡翠さん、いつも大好きだよ」
「何言ってるんだ。……俺の方が好きに決まってるだろ」
翡翠さんからの言葉と同時に熱いキスを受けると、心がいつも疼いていく。
翡翠さんの体温にとろけそうになっていくけど、それを抑えるのに必死になる。
「翡翠さん……翡翠さんをもっと感じたい」
「俺も豊佳を感じたい。 感じさせて」
翡翠さんの名前を呼ぶだけで、私の心と身体は翡翠さんに包まれていく。
翡翠さんの体温が心地よくて、翡翠さんから離れたくなくなってしまう。
翡翠さんとの甘くて情熱的なキスと、私の身体をなぞるように優しく愛でる翡翠さんの手にいちいち身体が反応してしまうのに、翡翠さんはそんな私のことを「かわいい」と言ってくれる。
翡翠さんから漏れる甘い吐息に、私の理性は崩壊寸前になり、気が付いたら翡翠さんの身体から放たれる理性を身体全体で受け止めていた。
「翡翠さん、好きっ……」
掠れるような声で呟くと、「俺も好きだよ」と言葉を返してくれる翡翠さんに嬉しくて、私は最後まで翡翠さんの身体にしがみついていたーーー。
* * *
「送ってくれてありがとう、翡翠さん」
「ああ、じゃあまたな豊佳」
「うん。おやすみなさい」
「おやすみ」
送ってくれた翡翠さんの車を見送ってから、自宅に向かうためにエレベーターへと乗り込む。
エレベーターを降りると、まさかのそこにはーーー。
「……っ!? 龍樹、なんで……?」
元カレの龍樹が立っていたーーー。



