【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。



 私の言葉に、聖乃は「えっ!?豊佳、烏丸翡翠のハンバーグ食べたの!?」と聞いてくるから、「うん。 烏丸さんと初めて会った日、ハンバーグ食べさせてもらったの」と答えた。

「えっ、本当に? あの烏丸翡翠のハンバーグを、豊佳は食べたの?……それはヤバすぎ!」

「えっ!そんなにヤバイの?」

「ヤバイよ! だってレストラン希望の丘って、世界の洋食レストランの五十選に選ばれたレストランだよ?」

 えっ……!? そ、そうなの!? 
 私、何にも知らなかったんだけど……。そんな烏丸さんと、私付き合ってるの……?
 やだ、信じられない……!

「大人気で平日でも常に行列だし。土日は予約しないと入れないし、マジですごいレストランなんだよ、希望の丘って。 私も行ったけど並びすぎてて入れなかったから、諦めたんだから」

「そ、そうなの……? そんなにすごいんだ、烏丸さん……」

「そもそも、烏丸翡翠と付き合えることはマジですごいことだよ! 烏丸翡翠ファンクラブの会員、全員泣いてるかもね」

 えっ。ふぁ、ファン……クラブ? そんなのあるの……?

「ねえ聖乃、私……すごい人に出会っちゃった感じ……?」

「いや、マジですごいよ。烏丸翡翠、本当に奇跡の人だから。出会えることがすごいし、まさか付き合ってるなんて……興奮しかないんだけど!」

「き、聖乃、ちょっと落ち着いて」

「落ち着ける訳ないじゃない! だって烏丸翡翠と友達が付き合ってるんだよ!? もうヤバイしか出てこない!」