聖乃は「豊佳、なんで別れてなかったってわかったの?」と聞いてくるから、私は「別れたなら証拠見せてって言ったの。私が本当に関係を終わらせたのか聞くから、今すぐに電話してって言った。 そしたらゴニョゴニョし始めたから、それで悟った。別れてないってことがね」を全てを話した。
「なるほどね……。豊佳、そんなことがあったんだ」
「うん。……まあ、そんなことだろうとは思ったけどね」
聖乃は「いや、あんなクズ男のことはいいって! それで、彼氏どんな人?」と聞いてくる。
「聖乃さ、希望の丘ってレストラン知ってる?」
「希望の丘? うん、知ってるよ。ハンバーグの美味しいお店だよね?」
「うん、そう。 私の彼氏ね……そのレストランのシェフなんだ」
私がそう話したら、聖乃は「えっ!希望の丘のシェフって……まさか、烏丸翡翠のことっ!?」と興奮したように聞く。
「えっ。う、うん」
待って待って。聖乃、めっちゃ興奮してない?
そんなに烏丸さんって、有名なの……?
「待って待って! 豊佳、烏丸翡翠と本当に付き合ってるの!?」
「う、うん。そうだけど……」
聖乃は電話の向こうで「豊佳、それはヤバイ! ヤバすぎるっ!」と興奮している。
「え? そ、そうなの……?」
「だってあの烏丸翡翠だよね?希望の丘の看板シェフ! イケメンで爽やかで、世界一美味しいハンバーグを作るっていう、あの烏丸翡翠!」
「う、うん。 私、烏丸さんのハンバーグ食べたけど、本当に美味しかったよ」



