そりゃあ私だって幸せになりたいよ。龍樹ともうすぐ幸せになれると思ってたから、その幸せが崩れて絶望していることに間違いない。
だけどどうしても、龍樹に裏切られたことで次の恋をしたいという気持ちにはなれない。
本当は龍樹のことが大好きで、仕方ないのかもしれない。
「聖乃、セフレが必要な存在って……何なのかな」
あれから数日経っているのに、私は龍樹の優しい笑顔ばかりを思い出してしまう。
「セフレが必要な存在か。……それはさ、本人しかわからないよね。浮気とセフレは違うって思ってるのかもしれないけど、私たちからしたら同じことなのにね」
聖乃の言葉に私は「そうだよね。やっぱり……同じことだよね」と頷く。
「そもそもセフレがいるのに、なんで豊佳と付き合ったんだろうね。セックスしたいなら、セフレがいるっていうのにね」
「私にもわからないの。……でもさ、私龍樹に言われちゃったんだよね」
私がそう言うと、聖乃は「言われちゃったって、何を?」とコーヒーのカップを両手に聞いてくる。
「私とのセックスは、つまらないって言われたの」
「はあ?何それ! マジでクズだね!」
その言葉を聞いた聖乃は「アイツマジなんなの!腹立つー!」と怒りを顕にしている。
「私は身体の相性、正直言うといいと思ってたの。龍樹とのエッチ、気持ち良かったから」
「やっぱりセフレとセックスしすぎて、身体がバカになってたんじゃない?」
んー……そうなのかな?



