そのまま夏川くんの胸元に額を寄せて布団へ潜り込んだ。彼の身体にくっついてみるけれど、体温はぬるく心臓の音は聞こえない。
人間ではないことを思い知らされる。
でも、どうしてだろう。夏川くんのことを、どうしても抱きしめたくなってしまった。
「俺のこと煽るなんて悪い奴だね」
「夏川くんが初めて生かした人間が悪い奴でごめんね」
「ま、確かに予想外」
「夏川くんにはいい刺激でしょ」
「……殺されても襲われても文句言えないけどいいの?」
「いいよ、夏川くんになら」
「本当たち悪いね、おまえじゃなかったら酷い死に方にしてあの世に送ってる」
「何それ物騒なこと言う……」
「りりちゃんのことはお前がどれだけ望んでも殺してやらないよ」
それは優しさじゃなくて新手の意地悪ってこと?
「いいからもう眠れ」
夏川くんの手のひらが瞼に落ちて、急激な眠気が襲ってくる。
夏川くんが「これ以上話してるとおまえのこと泣かしてずたずたにしそうだから」と呟いたのを聞いたけれど返事をすることはできなくて、そのままわたしは深い眠りについた。



