劣情にmistake


じゃあそれまでに、夏川くんと仲良くなって、折れてもらおう。

わたしの代わりに誰かが死ぬんじゃなくて、予定通り帰るのはわたしだって。

3日後ということは、あと2泊3日の命。
やけに冷静に受け入れている自分にびっくりする。

昨日はこわかったけど、夏川くんがあまりに自然にわたしに構うから、死神というものを身近に感じてしまっているのかも。

わたしってそのうち変な宗教にでもハマっちゃいそうだよね。


「……夏川くん、ナス食べれる?」

「ふは、この会話の中でそれ聞くの? おまえって本当に肝が座ってるね」

「だって、3日しかないなら楽しまないとなって。夏川くんのことももう少し知りたいし」

「へえ」

「わたしのことも、知りたいならなんでも教えてあげる」

「やけに無防備でおまえは危なかっしいな」


俺が死神でよかったね、じゃなきゃあの時死んでたかもな、と。
運命に逆らったのは自分のくせに、鼻高々にそう言う夏川くん。


生かされたことも、彼が死神だということも、実感があるわけじゃないけれど。

どうせつまらない毎日だったし。
これくらいのハプニングが落ちてきたってどうってことないのかも。

わたしがもし何かやらかして、この綺麗な死神に殺されても、悲しむ人だっていないんだもん。