劣情にmistake

「じゃあ、カレーでも作るよ、食べられる?」

「作ってくれんの」

「うん。私の寿命も短いみたいだし」

「まだ自分が死ぬと思ってんのか」

「だって殺したい人なんていないんだもん」

「頑固な奴」


セーラー服のままエプロンをつけてキッチンに立つ。

女子高生ひとりが住むには広すぎる空間に、異様に綺麗な顔をした死神がひとり。


「りりこちゃん、かわいいことすんだね」

「なっ、どこがかわいいの!」

「制服姿もいいけど、エプロンもいいなって見てただけ」

「か、からかわないでよ」

「別に? 思ったこと言ってみただけだけど」


なんだこいつ─────

死神といいながら怪しげに口角を上げた夏川くん。その端正な顔がやけに色っぽくて思わず顔を背けてしまった。


「な、夏川くんって意味わかんないね」

「そりゃ死神だからね」

「……わたしが殺したい人言わなかったらどうなるの」

「タイムリミットは今日を含めて3日後。それまでに覚悟決めて」

「覚悟……」