──『殺してほしい人間いる?』
茶番だと思っていたあのやりとりは茶番じゃなかった。
声で、瞳で、嫌でもわからせてくる。もう観念するしかない。
殺してほしい人間がいるか。
私の中ですでに答えは出てるんだけどね、焦らしてごめんなさい。
答える前に私も知っておきたいことができちゃった。
ギブアンドテイクだよ、秘密を共有するなら、対等な関係でいなくちゃでしょ。
「……わかった。真剣に考えてみる。その代わり、死神……のシステムみたいなのと、あと、夏川くん自身のことを詳しく教えてほしいんだけど」
………いい?
首を傾げて見つめれば、彼は一度、視線を斜めに逸らした。
それからまた、ゆっくりと私に戻した。
「嫌だけど、いいよ」
その声は少しだけ震えていた。



