ガチャリ
…唯牙くんが、帰ってきた…!
急いで玄関に向かって走る。
…って、いけない。うるさくならないよう、静かに走らなくっちゃ…!
唯牙くんはにぎやかな場所とかうるさい所が嫌いだから。
ガチャガチャと音がならないように、できるだけ気をつけて走る。
「お、おかえりなさい…唯牙くん。」
「ただいま、萌香。今日もいい子にしてた?」
「うん…ちゃんと、唯牙くんとの約束守っていい子にしてたよ…。」
「そっか、萌香は偉いね。」
そういいながら私を撫でる唯牙くん。
ビクッとしてしまった私に、少し眉を寄せた唯牙くんだったけど撫でるのはやめてない。
…ほっ。どうやら合格みたい。
「ねぇ萌香。」
あれ…私、今日は合格のはずじゃ…?
少し機嫌が悪い時に唯牙くんが出す声に不安になりながら振り向く。
「ど、どうしたの…私、何かしちゃったかな…?」
「本当に気づいてないの?」
はぁ、とため息をつく唯牙くんにますます不安になる。
私何をしてしまったんだろう…?
ビクビクしながら唯牙くんを見ると、おどおどしている私の姿ににますますムカついてしまったみたい。
「ごめんなさいっ!なにかしちゃったなら謝るから…!だから…っ」
怒らないで、という私の声は唯我くんが発した声に負け、私の口に戻ってきた。
「なんでわからないかなぁ〜…萌香、動いたでしょ?ほら、その証拠に…」
私の足元を指さしながら唯牙くんは言う。
「こんなに絡まってる。萌香が動いていいのは僕を出迎える時だけって言ったよね?それだけじゃこんなに絡まるはずないよね…
ねぇ、萌香はなんで動いちゃったの?」
ゆっくり動き、ゆっくり喋るその姿が怖くてたまらない。
「あ…その、ごめんなさ…」
「う〜ん、謝ってほしいわけじゃないんだけどなぁ…
僕は萌香になんで動いちゃったのか聞いてるんだけど?」
「えっと、なんでもないの。ちょっと体を動かそうかなって思っただけで…本当だよ、何もしようとなんてしてなかった…っ」
「…そう、萌香まで僕に嘘を吐くんだね。
あーあ、出会った頃はあんなにも素直で可愛かったのに誰が萌香をこんな子に変えちゃったんだろ?
…ねぇ、萌香も不思議でしょ?」
一度こうなってしまった唯牙くんを落ち着かせる方法を、私はまだ知らない。
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
そんな私にできるのはただひたすらに謝ることだけ。
なんて情けなくて、みっともないんだろう。
「謝ってほしいわけじゃないって言ってるんだけど…いつから頭まで悪くなっちゃったんだか。
………ほらそんな調子だからいつまでたっても鎖を取ってあげられないんだよ。」
そう言って唯牙くんが掴んだのは
私を2年間ここに囚わえる足枷…そう、言葉通り
『足枷』
だった――――――――――――――
…唯牙くんが、帰ってきた…!
急いで玄関に向かって走る。
…って、いけない。うるさくならないよう、静かに走らなくっちゃ…!
唯牙くんはにぎやかな場所とかうるさい所が嫌いだから。
ガチャガチャと音がならないように、できるだけ気をつけて走る。
「お、おかえりなさい…唯牙くん。」
「ただいま、萌香。今日もいい子にしてた?」
「うん…ちゃんと、唯牙くんとの約束守っていい子にしてたよ…。」
「そっか、萌香は偉いね。」
そういいながら私を撫でる唯牙くん。
ビクッとしてしまった私に、少し眉を寄せた唯牙くんだったけど撫でるのはやめてない。
…ほっ。どうやら合格みたい。
「ねぇ萌香。」
あれ…私、今日は合格のはずじゃ…?
少し機嫌が悪い時に唯牙くんが出す声に不安になりながら振り向く。
「ど、どうしたの…私、何かしちゃったかな…?」
「本当に気づいてないの?」
はぁ、とため息をつく唯牙くんにますます不安になる。
私何をしてしまったんだろう…?
ビクビクしながら唯牙くんを見ると、おどおどしている私の姿ににますますムカついてしまったみたい。
「ごめんなさいっ!なにかしちゃったなら謝るから…!だから…っ」
怒らないで、という私の声は唯我くんが発した声に負け、私の口に戻ってきた。
「なんでわからないかなぁ〜…萌香、動いたでしょ?ほら、その証拠に…」
私の足元を指さしながら唯牙くんは言う。
「こんなに絡まってる。萌香が動いていいのは僕を出迎える時だけって言ったよね?それだけじゃこんなに絡まるはずないよね…
ねぇ、萌香はなんで動いちゃったの?」
ゆっくり動き、ゆっくり喋るその姿が怖くてたまらない。
「あ…その、ごめんなさ…」
「う〜ん、謝ってほしいわけじゃないんだけどなぁ…
僕は萌香になんで動いちゃったのか聞いてるんだけど?」
「えっと、なんでもないの。ちょっと体を動かそうかなって思っただけで…本当だよ、何もしようとなんてしてなかった…っ」
「…そう、萌香まで僕に嘘を吐くんだね。
あーあ、出会った頃はあんなにも素直で可愛かったのに誰が萌香をこんな子に変えちゃったんだろ?
…ねぇ、萌香も不思議でしょ?」
一度こうなってしまった唯牙くんを落ち着かせる方法を、私はまだ知らない。
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
そんな私にできるのはただひたすらに謝ることだけ。
なんて情けなくて、みっともないんだろう。
「謝ってほしいわけじゃないって言ってるんだけど…いつから頭まで悪くなっちゃったんだか。
………ほらそんな調子だからいつまでたっても鎖を取ってあげられないんだよ。」
そう言って唯牙くんが掴んだのは
私を2年間ここに囚わえる足枷…そう、言葉通り
『足枷』
だった――――――――――――――



