「沙穂さん」
「あ、里見さん!」
芹奈をひと目見るなり安心したのか、沙穂は目を潤ませる。
「どうかしましたか?具合でも悪い?」
「あの、胸が苦しくて息が……。母が、着崩れしないようにって、帯をいつもよりきつく締めたので」
そう言って沙穂は苦しそうに肩で息をする。
恐らく極度の緊張も原因の1つだろう。
顔は青ざめ、手も小刻みに震えていた。
「落ち着いて、大丈夫だから」
芹奈は沙穂のそばにひざまずくと、すぐさまスマートフォンで村尾にメッセージ送る。
『客室の手配をお願い』
するとすぐに『了解』と返事が来た。
「沙穂さん、ゆっくりお部屋で休みましょう。歩ける?」
「はい、大丈夫です」
芹奈は沙穂の身体を支えて立たせると、沙穂の小さなバッグとテーブルの上の伝票を手にする。
ふと顔を上げると翔が伝票を指差し、テーブルに置いていけとジェスチャーで伝えてきた。
芹奈は頷いて伝票をテーブルに置き、沙穂に手を貸しながらラウンジを出る。
エレベーターホールの方へとゆっくり歩いていると、村尾が足早に近づいてきてカードキーを手渡した。
「ありがとう。あとで連絡するね」
「分かった」
芹奈はそのまま沙穂と客室に向かった。
「あ、里見さん!」
芹奈をひと目見るなり安心したのか、沙穂は目を潤ませる。
「どうかしましたか?具合でも悪い?」
「あの、胸が苦しくて息が……。母が、着崩れしないようにって、帯をいつもよりきつく締めたので」
そう言って沙穂は苦しそうに肩で息をする。
恐らく極度の緊張も原因の1つだろう。
顔は青ざめ、手も小刻みに震えていた。
「落ち着いて、大丈夫だから」
芹奈は沙穂のそばにひざまずくと、すぐさまスマートフォンで村尾にメッセージ送る。
『客室の手配をお願い』
するとすぐに『了解』と返事が来た。
「沙穂さん、ゆっくりお部屋で休みましょう。歩ける?」
「はい、大丈夫です」
芹奈は沙穂の身体を支えて立たせると、沙穂の小さなバッグとテーブルの上の伝票を手にする。
ふと顔を上げると翔が伝票を指差し、テーブルに置いていけとジェスチャーで伝えてきた。
芹奈は頷いて伝票をテーブルに置き、沙穂に手を貸しながらラウンジを出る。
エレベーターホールの方へとゆっくり歩いていると、村尾が足早に近づいてきてカードキーを手渡した。
「ありがとう。あとで連絡するね」
「分かった」
芹奈はそのまま沙穂と客室に向かった。



