「芹奈、単刀直入に聞く。副社長との間に何があった?それから、井口とも」
行きつけのイタリアンでパスタを頼むと、すぐさま村尾は切り出した。
芹奈は一瞬驚いてみせたが、すぐに小さくため息をつく。
「さすがは村尾くんだね。なんでもお見通しなんだもん」
「じゃあ、やっぱり何かあったんだな?二人と」
「うん。でも安易に話していいのかどうか……」
確かにその気持ちは分かる。
特に上司である副社長のことは、軽々しく話すべきではないだろう。
「芹奈。いつもなら俺も詮索しない。だけどプロジェクトがいよいよ大きく動き出すんだ。そんな大事な時に、副社長と芹奈の間にわだかまりがあるなら把握しておきたい。でなければフォローも出来ないからな。もちろん誰にも漏らさない。約束する」
真剣にそう言うが、芹奈はまだためらっている。
それなら、と村尾は質問を変えた。
「芹奈。副社長に告白された?」
ハッと大きく目を見開いた芹奈を見て、やはりそうかと確信した。
「ど、どうして?」
「以前から聞いてたんだ。副社長、本気で芹奈のこと好きになったみたいでな」
「そうだったの……」
「で?その暗い表情からすると、断ったのか?」
コクリと芹奈は頷く。
「なんて言って断ったんだ?」
「好きな人がいるので……って」
「それって、井口のこと?」
「ううん、違う」
村尾はしばし考えあぐねる。
そして結論を出した。
「つまりこういうこと?プロジェクトが本格始動する今、仕事に専念したいから誰とも恋愛は出来ない。だけどそう言えば、井口の時みたいに納得してくれないかもしれない。あの時の反省を生かして、好きな人がいると嘘をついて断った。違うか?」
芹奈は諦めたようにうなだれる。
「ほんとに村尾くんには敵わないね」
「やっぱりそうか。それで井口とはどうなんだ?なんか吹っ切れた感じがするけど」
「それはね、仕事でちょっとしたことがあって、私が井口くんのフォローをしたの。その時に納得してくれたみたい。これからは今まで通りに仕事をしていこうってことになって」
「ふーん。井口がなんかやらかして、その窮地を芹奈が救った。自分は芹奈に言い寄る資格はない、みたいに言って井口が引き下がったって感じか?」
む、村尾くんって……、と、もはや芹奈は絶句する。
「すごいね、エスパーなの?」
「秘書やってると、色んな人の考えを読めるようになってな」
「私も同じく秘書だけど、全然読めないよ?」
「じゃあ、まだまだだな。それに芹奈、鈍いし」
うぐ……と芹奈はぐうの音も出ない。
「それで?副社長には、他に好きな人がいるって嘘をつき通すつもりなのか」
「うん」
「その相手が、井口だと勘違いされても?」
「え?どうして副社長、私と井口くんのことをそう思うの?」
はあ……と、村尾は盛大なため息をついた。
「あのな、これだけは言わせてくれ。芹奈の知らないところで、俺はいろーんな事に巻き込まれている」
「そうなの?私、知らず知らずのうちに村尾くんに迷惑かけちゃったんだね。ごめん」
「まあ、芹奈が謝る必要はないんだけどさ。でもちょっとこれは看過出来ないな。芹奈、しばらくは俺も様子を見る。副社長も今はプロジェクトに集中するだろうし。だけど何かあったら俺に相談してくれ。頼む」
「うん、分かった。ありがとう、村尾くん。仕事に関しては、気持ちを切り替えてきちんとやります」
そしてその言葉通り、芹奈はいつも以上に真剣にプロジェクトに取り組んだ。
行きつけのイタリアンでパスタを頼むと、すぐさま村尾は切り出した。
芹奈は一瞬驚いてみせたが、すぐに小さくため息をつく。
「さすがは村尾くんだね。なんでもお見通しなんだもん」
「じゃあ、やっぱり何かあったんだな?二人と」
「うん。でも安易に話していいのかどうか……」
確かにその気持ちは分かる。
特に上司である副社長のことは、軽々しく話すべきではないだろう。
「芹奈。いつもなら俺も詮索しない。だけどプロジェクトがいよいよ大きく動き出すんだ。そんな大事な時に、副社長と芹奈の間にわだかまりがあるなら把握しておきたい。でなければフォローも出来ないからな。もちろん誰にも漏らさない。約束する」
真剣にそう言うが、芹奈はまだためらっている。
それなら、と村尾は質問を変えた。
「芹奈。副社長に告白された?」
ハッと大きく目を見開いた芹奈を見て、やはりそうかと確信した。
「ど、どうして?」
「以前から聞いてたんだ。副社長、本気で芹奈のこと好きになったみたいでな」
「そうだったの……」
「で?その暗い表情からすると、断ったのか?」
コクリと芹奈は頷く。
「なんて言って断ったんだ?」
「好きな人がいるので……って」
「それって、井口のこと?」
「ううん、違う」
村尾はしばし考えあぐねる。
そして結論を出した。
「つまりこういうこと?プロジェクトが本格始動する今、仕事に専念したいから誰とも恋愛は出来ない。だけどそう言えば、井口の時みたいに納得してくれないかもしれない。あの時の反省を生かして、好きな人がいると嘘をついて断った。違うか?」
芹奈は諦めたようにうなだれる。
「ほんとに村尾くんには敵わないね」
「やっぱりそうか。それで井口とはどうなんだ?なんか吹っ切れた感じがするけど」
「それはね、仕事でちょっとしたことがあって、私が井口くんのフォローをしたの。その時に納得してくれたみたい。これからは今まで通りに仕事をしていこうってことになって」
「ふーん。井口がなんかやらかして、その窮地を芹奈が救った。自分は芹奈に言い寄る資格はない、みたいに言って井口が引き下がったって感じか?」
む、村尾くんって……、と、もはや芹奈は絶句する。
「すごいね、エスパーなの?」
「秘書やってると、色んな人の考えを読めるようになってな」
「私も同じく秘書だけど、全然読めないよ?」
「じゃあ、まだまだだな。それに芹奈、鈍いし」
うぐ……と芹奈はぐうの音も出ない。
「それで?副社長には、他に好きな人がいるって嘘をつき通すつもりなのか」
「うん」
「その相手が、井口だと勘違いされても?」
「え?どうして副社長、私と井口くんのことをそう思うの?」
はあ……と、村尾は盛大なため息をついた。
「あのな、これだけは言わせてくれ。芹奈の知らないところで、俺はいろーんな事に巻き込まれている」
「そうなの?私、知らず知らずのうちに村尾くんに迷惑かけちゃったんだね。ごめん」
「まあ、芹奈が謝る必要はないんだけどさ。でもちょっとこれは看過出来ないな。芹奈、しばらくは俺も様子を見る。副社長も今はプロジェクトに集中するだろうし。だけど何かあったら俺に相談してくれ。頼む」
「うん、分かった。ありがとう、村尾くん。仕事に関しては、気持ちを切り替えてきちんとやります」
そしてその言葉通り、芹奈はいつも以上に真剣にプロジェクトに取り組んだ。



