「お待たせ、村尾くん。チェック項目は全部見てきたよ。ショップガイドももらってきた」

フードコートで待っていた村尾と合流し、芹奈は資料を見せる。

車椅子やベビーカーの貸し出し、バリアフリーやAED、多目的トイレの有無、広場やベンチの数、そしてもちろんどんなショップが入っているかなども全て見て回っていた。

通路の歩きやすさや雨の場合も濡れずに済むか、など気づいた点も書き込んである。

「お、ありがとう。バッチリだな。じゃあ早速、次の場所に向かいますか」
「うん。それでね、村尾くん。次は私に運転させて」
「は?なんで?」
「だって村尾くん、疲れちゃっただろうから」
「いや、疲れてないよ。むしろ好きなんだ、運転」

そうなの?と芹奈はまだ戸惑い気味に尋ねた。

「ああ、だから大丈夫。あ、でもさ。芹奈今度は後ろに座ってくれないか?俺、助手席に誰もいない方が運転しやすくてさ」
「そうなのね。分かった、次からはそうするね。じゃあこのまま運転お願いしていい?」
「もちろん。じゃあ行こうか」

そして今度は、芹奈は翔と並んで後部座席に座った。