ダグラスが話をしておいてくれたらしく、ドリンクだけオーダーすると、あとはお任せで次々と料理が運ばれてきた。
「わあ!これって特別なコースですよね?メニューには軽食しか載ってなかったですから」
バーラウンジだというのに、並べられたのはフレンチフルコースのような品々。
手の込んだ前菜やジューシーなステーキに、芹奈は幸せそうな笑みを浮かべる。
「はあ、美味しい……」
うっとりした口調に、翔が顔を上げた。
「ほんとにしみじみ呟くよな。しかもとろけそうな顔して。俺の知ってる欧米女性は、もっとこう……」
副社長!と、村尾が慌てて止める。
「大丈夫だってば。あの話はしないから、心配するな」
すると芹奈が首を傾げた。
「あの話というのは?」
「いや、だからな。俺、海外生活が長くてすっかりあっちの風習に慣れちゃったんだよ。特に女性の……」
副社長!!と、またしても村尾が遮る。
「だから、お前の言う武勇伝は語らないってば!」
「武勇伝、とおっしゃいますと?」と再度尋ねてくる芹奈に、「武勇伝っていうのは……」と翔が口を開き、「副社長!」と村尾がかぶせる。
この流れをそのあとも3回繰り返した。
「こちらはクレープシュゼットと、当ラウンジおすすめのフレッシュメロンクリームソーダでございます」
食後のデザートが運ばれてくると、芹奈は身を乗り出してじっくり眺める。
「なんて綺麗。このクレープシュゼット、もはや芸術ですね。それにこのクリームソーダ!メロンの果肉入りですよ?こんなの初めて」
目を輝かせて感激する芹奈に翔が口を開こうとした瞬間、村尾がジロリと圧をかけた。
仕方なく翔は口をつぐむ。
(でも新鮮だわ、こんなに何でも喜んでくれるなんて。もっともっと喜ばせたくなるな。どんなところに連れて行ったらいいだろう?)
女性とは、高級レストランに連れて行ってブランドもののジュエリーをプレゼントするのが当然だと思ってきたが、おそらく彼女は違う。
きっと綺麗な景色や、日常のささやかな出来事にも喜んでくれるのではないだろうか?
そう思うと、翔はますます芹奈に興味を惹かれていた。
「わあ!これって特別なコースですよね?メニューには軽食しか載ってなかったですから」
バーラウンジだというのに、並べられたのはフレンチフルコースのような品々。
手の込んだ前菜やジューシーなステーキに、芹奈は幸せそうな笑みを浮かべる。
「はあ、美味しい……」
うっとりした口調に、翔が顔を上げた。
「ほんとにしみじみ呟くよな。しかもとろけそうな顔して。俺の知ってる欧米女性は、もっとこう……」
副社長!と、村尾が慌てて止める。
「大丈夫だってば。あの話はしないから、心配するな」
すると芹奈が首を傾げた。
「あの話というのは?」
「いや、だからな。俺、海外生活が長くてすっかりあっちの風習に慣れちゃったんだよ。特に女性の……」
副社長!!と、またしても村尾が遮る。
「だから、お前の言う武勇伝は語らないってば!」
「武勇伝、とおっしゃいますと?」と再度尋ねてくる芹奈に、「武勇伝っていうのは……」と翔が口を開き、「副社長!」と村尾がかぶせる。
この流れをそのあとも3回繰り返した。
「こちらはクレープシュゼットと、当ラウンジおすすめのフレッシュメロンクリームソーダでございます」
食後のデザートが運ばれてくると、芹奈は身を乗り出してじっくり眺める。
「なんて綺麗。このクレープシュゼット、もはや芸術ですね。それにこのクリームソーダ!メロンの果肉入りですよ?こんなの初めて」
目を輝かせて感激する芹奈に翔が口を開こうとした瞬間、村尾がジロリと圧をかけた。
仕方なく翔は口をつぐむ。
(でも新鮮だわ、こんなに何でも喜んでくれるなんて。もっともっと喜ばせたくなるな。どんなところに連れて行ったらいいだろう?)
女性とは、高級レストランに連れて行ってブランドもののジュエリーをプレゼントするのが当然だと思ってきたが、おそらく彼女は違う。
きっと綺麗な景色や、日常のささやかな出来事にも喜んでくれるのではないだろうか?
そう思うと、翔はますます芹奈に興味を惹かれていた。



