美味しいフランス料理のフルコースを堪能しながら、芹奈は周りのカップルの様子に目をやる。
先程からあちこちのテーブルで、彼が彼女にプレゼントを渡していた。
「やっぱり今夜は指輪のプレゼントがダントツですね。四角いケースをパカッて開いて、彼女がキャッ!ってなってて。あとは花束も。スタッフの方も大変そうですね。サプライズの対応にてんやわんや」
冷静な芹奈のリポートに翔は苦笑いする。
「君もサプライズされたいタイプなの?」
「いやー、私はいいです。だって心臓に悪そうで」
「心臓!?そんな、お化け屋敷じゃないんだから」
「でもそこまでロマンチストでもないし、そもそも恋愛経験がほとんどないので慣れてなくて。普通にプレゼント交換したいです」
「そう。じゃあ普通にそうしようかな」
そう言うと翔は、ジャケットの内ポケットから四角いケースを取り出した。
「メリークリスマス。君へのプレゼント。受け取ってくれたら嬉しい」
えっ!と芹奈は目を見開く。
「副社長、話が違うじゃないですか?」
「は?どういうこと?」
「普通にプレゼント交換がいいって言ったのに。これじゃあサプライズですよ」
「そう?サプライズってもっとこう、真っ赤なバラの花束の中に指輪が入ってたり、デザートプレートにチョコレートで『 Will you marry me?』って書いてあったりするんじゃない?」
「えー!?そ、そんなことあるんですか?これはちょっと、世間のサプライズを調査しないと」
いや、だから!と翔は思わず真顔で止める。
「そんなことはいいから、プレゼント受け取って」
「え?あ、はい」
芹奈はおずおずと両手を伸ばし、翔の差し出したケースを受け取る。
「開けてみてもいいですか?」
「もちろん」
そっと開いてみると、ダイヤモンドの輝きが目に飛び込んできた。
「こ、これって、さっきのお店の?」
「そう、君が気に入ってたブレスレット」
「いつの間に?」
「ん?君が熱心にスパイ活動している間にね」
そう言うと翔はケースからブレスレットを取り、芹奈の左手首につける。
「うん。やっぱりよく似合ってる」
「そ、そんな。私、いただけません」
「どうして?君の為に俺が贈りたいだけなんだ。受け取って欲しい」
「でも私、副社長に何も用意してなくて。プレゼント交換出来ません」
「ははは!気にしなくていいのに。でもそれなら、リクエストしてもいい?プレゼント」
「はい、何でしょう?」
芹奈が身を乗り出すと、翔はにっこり笑った。
「抱き枕」
「……は?」
「ぐっすり眠りたいんだ。だから抱き枕が何より欲しい」
「えっと、それは、どちらに売ってますか?」
「非売品だよ。しかも俺だけの特別なね。さてと。デザートは部屋に用意してもらったんだ。行こうか」
「……は?」
話が呑み込めず固まったままの芹奈にクスッと笑い、翔は芹奈の手を取ってレストランを出た。
先程からあちこちのテーブルで、彼が彼女にプレゼントを渡していた。
「やっぱり今夜は指輪のプレゼントがダントツですね。四角いケースをパカッて開いて、彼女がキャッ!ってなってて。あとは花束も。スタッフの方も大変そうですね。サプライズの対応にてんやわんや」
冷静な芹奈のリポートに翔は苦笑いする。
「君もサプライズされたいタイプなの?」
「いやー、私はいいです。だって心臓に悪そうで」
「心臓!?そんな、お化け屋敷じゃないんだから」
「でもそこまでロマンチストでもないし、そもそも恋愛経験がほとんどないので慣れてなくて。普通にプレゼント交換したいです」
「そう。じゃあ普通にそうしようかな」
そう言うと翔は、ジャケットの内ポケットから四角いケースを取り出した。
「メリークリスマス。君へのプレゼント。受け取ってくれたら嬉しい」
えっ!と芹奈は目を見開く。
「副社長、話が違うじゃないですか?」
「は?どういうこと?」
「普通にプレゼント交換がいいって言ったのに。これじゃあサプライズですよ」
「そう?サプライズってもっとこう、真っ赤なバラの花束の中に指輪が入ってたり、デザートプレートにチョコレートで『 Will you marry me?』って書いてあったりするんじゃない?」
「えー!?そ、そんなことあるんですか?これはちょっと、世間のサプライズを調査しないと」
いや、だから!と翔は思わず真顔で止める。
「そんなことはいいから、プレゼント受け取って」
「え?あ、はい」
芹奈はおずおずと両手を伸ばし、翔の差し出したケースを受け取る。
「開けてみてもいいですか?」
「もちろん」
そっと開いてみると、ダイヤモンドの輝きが目に飛び込んできた。
「こ、これって、さっきのお店の?」
「そう、君が気に入ってたブレスレット」
「いつの間に?」
「ん?君が熱心にスパイ活動している間にね」
そう言うと翔はケースからブレスレットを取り、芹奈の左手首につける。
「うん。やっぱりよく似合ってる」
「そ、そんな。私、いただけません」
「どうして?君の為に俺が贈りたいだけなんだ。受け取って欲しい」
「でも私、副社長に何も用意してなくて。プレゼント交換出来ません」
「ははは!気にしなくていいのに。でもそれなら、リクエストしてもいい?プレゼント」
「はい、何でしょう?」
芹奈が身を乗り出すと、翔はにっこり笑った。
「抱き枕」
「……は?」
「ぐっすり眠りたいんだ。だから抱き枕が何より欲しい」
「えっと、それは、どちらに売ってますか?」
「非売品だよ。しかも俺だけの特別なね。さてと。デザートは部屋に用意してもらったんだ。行こうか」
「……は?」
話が呑み込めず固まったままの芹奈にクスッと笑い、翔は芹奈の手を取ってレストランを出た。



