腕を引いたのはレグルスさまだった。確かに人が多く行き交う王都。たくさんの人が歩いている。
こんなふうに庇われるのも初めてで、なんだか本当にわたくしとマティス殿下って、形だけの婚約者だったのね。
いや、そもそもこんなふうに彼と歩いたことさえないわ。『デート』なんてしたことないし、誘ったことも誘われたこともない。
ただ、パーティーで一緒に踊る……くらいの関係だもの。
……婚約者とは……?
「どうかした?」
「いえ、なんというか……振り返ってみて、やっぱり無理だな、と」
「それは……どういう意味?」
ひっそりと言葉を続けた。誰にも聞かれないように。
「マティス殿下とこんなふうに歩いたことがなかったので……やはりわたくしには、殿下との婚約は無理だな、と」
「……そうか。俺と婚約したら、たくさんデートしようね」
え? と目を丸くすると、レグルスさまは悪戯っぽく笑って、わたくしの腕から手を離した。
顔が熱いわ。赤くなっていそう。
冷まそうと思って、手の甲を頬に押し付けた。ぽん、とクロエがわたくしの肩に手を置いて、微笑む。
「行きましょう、雑貨店」
「え、ええ……そうね」
なんだかドキドキさせられているような気がする。
公爵令嬢ではないかもしれないわたくしに、どうしてそこまで優しくしてくれるの……?
こんなふうに庇われるのも初めてで、なんだか本当にわたくしとマティス殿下って、形だけの婚約者だったのね。
いや、そもそもこんなふうに彼と歩いたことさえないわ。『デート』なんてしたことないし、誘ったことも誘われたこともない。
ただ、パーティーで一緒に踊る……くらいの関係だもの。
……婚約者とは……?
「どうかした?」
「いえ、なんというか……振り返ってみて、やっぱり無理だな、と」
「それは……どういう意味?」
ひっそりと言葉を続けた。誰にも聞かれないように。
「マティス殿下とこんなふうに歩いたことがなかったので……やはりわたくしには、殿下との婚約は無理だな、と」
「……そうか。俺と婚約したら、たくさんデートしようね」
え? と目を丸くすると、レグルスさまは悪戯っぽく笑って、わたくしの腕から手を離した。
顔が熱いわ。赤くなっていそう。
冷まそうと思って、手の甲を頬に押し付けた。ぽん、とクロエがわたくしの肩に手を置いて、微笑む。
「行きましょう、雑貨店」
「え、ええ……そうね」
なんだかドキドキさせられているような気がする。
公爵令嬢ではないかもしれないわたくしに、どうしてそこまで優しくしてくれるの……?



