……相変わらず視線が痛いけれど、今日も無事に授業を終えることができたわ。
わたくしを敵視する視線よりも、興味を抱いたような視線が多いように思えた。
ルグラン公爵夫人のおかげでしょうね。
これで『マーセル』としての地盤を整えられる。
授業中の態度も、抜き打ちで行われた小テストも好成績だったし、あとは……
「あ、マーセル嬢。今、少しいいですか?」
「ごきげんよう、ブレンさま。はい、大丈夫ですよ」
「では、こちらへ」
わたくしが廊下を歩いていると、ブレンさまが声をかけてきた。彼の手には数冊の本。なんの本かしら? と首をかしげると、その視線に気付いたのかブレンさまは口元に人差し指を立ててぱちんとウインクした。
人通りの少ない場所に向かって歩いていく。
「……わたくしに用事がありましたの?」
「レグルスさまが、ですよー」
くすりと笑うブレンさま。わたくしの頬に熱が集まるのを感じる。
思えば、レグルスさまにはいろいろと格好悪いところばかり、見せている気がするわ。
「あ、いたいた。ここでちょっとおやつでも食べましょう!」
レグルスさまの隣にはクロエがいた。彼女が慣れない手つきでお茶を淹れているのが見える。
……この学園にこんな場所があったのね。
人通りが少なく、木漏れ日が心地よい場所だわ。
「ごきげんよう、レグルスさま、クロエ」
「ごきげんよう、カミラさま。迎えにいってもらってすみません、ブレンさま」
「カミラ嬢、俺の隣においで」
わたくしを敵視する視線よりも、興味を抱いたような視線が多いように思えた。
ルグラン公爵夫人のおかげでしょうね。
これで『マーセル』としての地盤を整えられる。
授業中の態度も、抜き打ちで行われた小テストも好成績だったし、あとは……
「あ、マーセル嬢。今、少しいいですか?」
「ごきげんよう、ブレンさま。はい、大丈夫ですよ」
「では、こちらへ」
わたくしが廊下を歩いていると、ブレンさまが声をかけてきた。彼の手には数冊の本。なんの本かしら? と首をかしげると、その視線に気付いたのかブレンさまは口元に人差し指を立ててぱちんとウインクした。
人通りの少ない場所に向かって歩いていく。
「……わたくしに用事がありましたの?」
「レグルスさまが、ですよー」
くすりと笑うブレンさま。わたくしの頬に熱が集まるのを感じる。
思えば、レグルスさまにはいろいろと格好悪いところばかり、見せている気がするわ。
「あ、いたいた。ここでちょっとおやつでも食べましょう!」
レグルスさまの隣にはクロエがいた。彼女が慣れない手つきでお茶を淹れているのが見える。
……この学園にこんな場所があったのね。
人通りが少なく、木漏れ日が心地よい場所だわ。
「ごきげんよう、レグルスさま、クロエ」
「ごきげんよう、カミラさま。迎えにいってもらってすみません、ブレンさま」
「カミラ嬢、俺の隣においで」



