名も無き君へ捧ぐ


「先祖会議??」

「はい。年に何回かあるんです。呼び出されてしまいましたねー。正直、面倒なんですけどねー」

「じゃあ、その間、私の守護は誰が....」

「そこは心配ご無用です。代わりの方がいますから」





そんなやり取りをしたのは昨日のこと。


今私の側にいるのは、守護霊代理人らしい。


見た目は白髪で着流しが似合う、やたら物静かなお爺さんだ。


眉間に寄せる深い皺が、厳格な雰囲気を醸し出している。






聞けば、曾祖父とのことで、簡単に言えば、おばあちゃんのお父さんにあたる方だ。

面識はない。


私が生まれる前にもう他界していたのだ。



姿を現すなり、「よろしく。ま、気にせず自由にやってくれ」とだけ言い、腕組みをし胡座をかき、コックリコックリしている。


冬弥があまりにも人間そのもののように振舞っていたものだから心配になる。
守られる側が守護霊を心配するのは何か違うと分かってはいるが。



自分の直属の親族が守護霊になるとは、風の噂で聞いたことがあったので、なんら不思議には感じない。
けれどそれと同時に浮かぶのがやはり、冬弥の存在だ。


彼も大昔に親族の一人だったのだろうか。


いつだってはぐらかされて来たので、本当のことは謎のまま。