名も無き君へ捧ぐ

「あ!!そうだ!桜咲いたらさ、見に行こうよ。土手の桜並木すっごく綺麗なんだよ」

「いいんですか?パンケーキの君と一緒じゃなくて」

「なーんか、嫌味な言い方」

「ま、せっかくなんで、行きましょうか」

「ほんと?楽しみだね!桜予定通り咲くかなぁ」




ユーレイとの約束。

まともじゃない世界の中でしかきっと通用しない。












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一人胸を踊らせている横で、僅かに寂しげな顔になる彼。




「いい兆候だと、僕は思います........。20日までには、どうか」

そんな呟きは彼女の耳には届かずに、風とともに遠くの彼方へ散り散りに消えていったのだった。



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